和欧混植

iPhone、Android、TPP、STAP細胞などアルファベットや英単語が日本語の文章に入ることは珍しくなくなりました。Wordで入力するときも、欧文は半角、和文は全角で入力するなど、欧文と和文の書体は作りや形が大きく違っています。その両者間に統一感を持たせ、違和感のない文字組みを作り上げるには、繊細な気配りと細かい作業が要求されます。今号は「和欧混植」の美しい組版の秘訣を紹介します。

和文と欧文の調和

和欧混植の場合、適切な書体を選ぶポイントは、「漢字」と「かな」の組み合わせと考え方は同じだ。つまり和文書体と同じウェイトの書体を選ぶことが大前提となり、次に位置やサイズを調整する必要がある。そのためには欧文書体の英数字、記号についての理解を深めることが必要だ。

全角・半角のデザイン

英字の多くの書体には全角英字と半角英字のデザインがある。全角は和文書体用に、半角は欧文書体用にデザインされているが、両者のデザインは大きく異なる。まずはその違いを確認してみる。

全角・半角の使いわけ

漢字・かな、英数字、記号を、全角・半角を使いわけした例を提示してみる。和文・欧文のバランスがよいのは「漢字・かな:全角 記号:全角 英数字:半角」のパターンだ。原稿作成のときにも気をつけたい。

和文書体に従属している欧文書体の一例

次の文中の欧文書体は、それぞれリュウミンL-KLの従属欧文と中ゴシックBBBの従属欧文である。

従属欧文を使ったケースと使わないケースの比較

上が従属欧文を使った例、下が従属欧文を使わない例である。

美しい和欧混植のコツ

欧文書体が決まったら、その書体のベースラインなどにも留意し、大きさを決める。英数字だけを級上げすると美しく見える。

和欧混植の基本ルール

従属欧文は「b」や「y」などの上下に突き出た部分を縮めたり、和文に、合わせるための字形調整が行われているため「図表A」のような記号的な使用には向いているが、「Art Directorになる」のような英単語には不向き。本文中に長めの欧文が入る場合は、別の欧文書体を組み合わせることが多い。下は、弊社が担当させていただいた組版例。各部分の書体を明示する。和文・欧文書体の組み合わせや欧文書体の大きさ(%)に注意してみていただきたい。

弊社がデザイン・組版を担当した英会話本『超一流の英会話 』 (Jリサーチ出版刊)

アプリケーションでの和欧混植の調整

InDesignには「合成フォント編集」機能で、和欧混植の設定ができる。

弊社ではさらに高度な設定が可能なGREP(正規表現)機能を使用しレベルの高い混植を行っている。フォーマットをデザインする際にも多用している。

縦組み中、一桁数字は全角、二桁数字は半角で入力すると、上記①のようになってしまう。この場合は、②16に「縦中横」の処理をして転がってしまった文字を起こす。美しくみせるためには、③ツメの処理も必要。なお、このツメの処理はGREP(正規表現)機能を使用しデザインをもとに自動で一定のツメを行う。

コンポーザ機能による
混植の読みやすさの違い

InDesignで和欧混植する際、「欧文単数行・段落コンポーザ」、「日本語単数行・段落コンポーザ」のどちらかを選択できる。欧文の段落に欧文コンポーザをあてると「Th」や「fi」などの合字が正確に組まれる。また、ベースライン、行送り設定などがより高精度に調整され欧文書体の本来の美しい文字組みを実現することができる。このコンポーザの設定により読みやすさや欧文タイポグラフィ全体の仕上がりが大きく変わる。

本文 : A-OTF 秀英明朝 L (モリサワ) 14pt 行送り25pt
小見出し : A-OTF 秀英明朝 B(モリサワ)26pt
キャプション : A-OTF ゴシックMB101ProR11pt

編集:吉田秀次
デザイン:漆崎勝也
企画・発行・印刷:朝日メディアインターナショナル株式会社

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