文字 書体

ページデザインをするうえで必要な要素を、私たちが日ごろ心がけていることを中心に、毎回テーマを決めて解説していきます。初回の今号は「文字・書体」です。書籍でも雑誌でもポスターでもパンフレットでも、その情報の基本は文字にあります。まずは文字への理解を深めましょう。

文字の種類

文字にはいろいろな種類が存在する。漢字、かな、カタカナ、英数字、記号、約物といった字種の違いや、明朝体、ゴシック体、楷書体、丸ゴシック体といった書体の違いなど、実にさまざまだ。ここでは書体の違いに注目し、次に代表的な書体を示す。

どんな書体を使ったとしても、ただ文字を並べただけでは、美しいデザインや読みやすい文字組みは実現できない。文字の前後関係から字間を変えたり、文字ごとに級数を調整したり、文字によって書体を変えるなどしてはじめて美しい組版が完成する。その作業はひとつひとつの文字に息を吹き込むイメージだ。

仮想ボディと字面

文字には、文字の外枠(=仮想ボディ)と字面があり、字面は、仮想ボディに対して、小さくデザインされている。字面の大きさは書体によっても異なるし、同じ書体でも、ひらがな、カタカナ、漢字、英数字などによっても見た目が変わってくる。この違いを考えて、文字を選ぶことが必要となる。

字間の調整を行わないベタ組みは、仮想ボディが原稿用紙の升目にならぶイメージだ。仮想ボディに対する字面の大きさの割合は寸法比と呼ばれ、通常は91~95%。

読みやすさと見やすさ

字面の大きい書体と小さい書体では、読みやすさと見やすさが変わってくる。字面の大きい書体は、隣の文字や次の行との間隔が近いため、字面が小さい書体の場合より、字間や行間を広く空ける必要がある。また図版が多い場合とテキスト中心の場合では、自ずと読みやすくするための字間や行間は変わってくる。

新ゴシリーズ(モリサワ)やゴシックMB101シリーズ(モリサワ)など字面が大きい書体は、一般的に横組みでの使用に向いている。縦組みすると息苦しさを感じる。

書体のウェイトとファミリー

ウェイトとは文字の太さのことであり、同じ書体でもいくつかのウェイトが用意されているファミリーを構成している場合がある。同一のファミリーでも異なったウェイトを使用することで、レイアウトに統一感とリズムを与えることができる。本文、リード、見出しで同一のファミリーを使うことも多い。

ウェイトの選択

ページ要素の中でもっとも目立つ大見出しやタイトルは、すでに読みやすさや見やすさが確保されているので、繊細さ、女性らしさを出したいときには、あえて細い書体を使うことがある。写真や図版につけるキャプションは小さい級数を使うのが一般的。見やすさと印刷時の品質を考えて、ある程度ウェイトのあるものを使い、本文書体やそのウェイトは、時代性や読者層、媒体の特性、読まれる期間を考えて選ぶ。長く読まれるものと流行ものでは、本文書体などの選び方も変わってくる。


約物・記号の役割

記号と約物には、かぎ括弧や句読点、スラッシュ、アスタリスク、感嘆符、単位記号などがあり、デザインするときにはこれらの存在も大きい。これらの記号は書体に従属するが、書体によっては太さや大きさが漢字やかなと揃っていないことがあるので、記号の大きさやウェイトを変えたりするなど後処理が必要になる。また同じファミリーでもウェイトによってデザインが大きく異なるケースがある。約物・記号の書体によって全体の雰囲気が大きく変わる場合がある。違和感のないデザインにするためには、ここにも細心の注意が必要。


本文 : A-OTF 秀英明朝 L (フォントワークス) 14pt 行送り25pt
小見出し : A-OTF 秀英明朝 B(モリサワ)26pt
キャプション : A-OTF ゴシックMB101ProR11pt

編集:吉田秀次
デザイン:漆崎勝也
企画・発行・印刷:朝日メディアインターナショナル株式会社

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